どくたー かじた

日本人の英語学習をイタリアで考えた

眠ってる力を解放!努力不要の英会話メソッド:2-1 オブジェクティブ英会話

 f:id:kajitaseijin:20141106075557p:plain

前回前々回と前置きが長くなりすみませんでした。ようやく本題の一品目です。

 

こんな経験は無いでしょうか?

外人さんと英語で話すとき。

(心の声) "ふ!完璧に聞き取ったぜ。分かるぞ。っ!ここだ!"

(口から出る声) "I,,,あーうーあー。"

なぜ話しが詰まってしまうのか

とても簡単なセンテンスでも「墓から出たてのゾンビ状態」になりショックを受ける。なぜかを解きほぐしてみましょう。

 

まず、日本語の語順は、(主語)+目的語+(主語)+動詞ですね(カッコ付きの主語はどちらかに入るのを意味します)

“(私は)サッカーのテレビを(私は)見た”

“(私は)新しい本を(私は)買った” 

 

一方、英語の語順は、主語+動詞+目的語です。

I watched at a soccer.

I bought a new book.

 

目的語と動詞の順序が逆ですね

こんなのただ逆にすれば良いじゃん。と、思いますよね!?

実はこの一見、とても単純な違いがとーーーーーーても大きな思考の妨げを産んでいるのです。

なぜなら、私たちの頭は「動詞をしゃべると文が終わる」とプログラムされているからです。

 

つまり、I watched..., I bought..., と言っちゃうと頭のプログラムは「この文は終了だよ」と言います。

だから、”あれ?目的語なんだっけ?”、と異常動作をし、”あー、うー”、と3秒した後、プログラムは再起動し、目的語を見つけ、”a new book.”と言うことになる。

そこで、ソンビ化を防ぎあなたの知性の輝きを取り戻すポイントは、

「この強制終了をいかに防ぐか」

なのです。そして、具体的なメソッドは。。。。!

 

はいここちゅーもーく。

 

後は寝てていいから、ここだけ覚えてー。

それは

 

「目的語を先にしゃべる」

目的語の重要性についてもう少し触れます。否、触れたいです。

以下のような話しを聞いたことがありますか?

”日本語は大事なことは後ろに来る。英語は大事なことが先にくる。だから英語は主語と動詞が先にくるんだよ”

 

「ちがーーーーーう!!*1

 

と私はさけびたい。

会話の中で重要なのは、「目的語」でしょう。

日本語は重要なことを先に言っている言語と信じています。

 

なぜか。主語や動詞は重要そうです。ただしそれは何の情報も無くいきなり

I watched at soccer.

とかが出てきた学校のテスト問題にありがちな場合です。"だれがなにをしたんだ?"という情報はたしかに重要度が高いです。

 しかし考えてみてください、ほとんどの場合、会話には「流れ」が存在します。

例えば友達があなたに、”昨日どんなテレビ見た?”、と尋ねたら、あなたは”サッカーを見たよ”と答えるでしょう。会話の中で大事なのは、主語の”私"でもなく動詞の”見た”でもない。目的語の”サッカー"です。これは人間の会話にとって万国共通の事項でしょう。

 

実際、外国人の英語も目的語を強調して話しています。

”What TV program did you watch yesterday?”、と聞かれて単に”soccer program”とだけ答える人もかなりの割合います。

たとえ”I watched at a soccer program”と生真面目に答えたとしても、”I watched at a”まではとても小さく速く駆け抜け、”soccer program”を2倍のボリュームで2倍の長さでたっぷり発音します。

彼らも目的語に向かって話しているのであり、その前の主語と動詞はあっても無くても良い飾りとして扱っているのです。*2

 

繰り返します。

会話には流れ(相手との質問、回答のやり取り)が存在するため、主語や動詞はしばしば自明であり、会話の中では目的語の重要性がきわめて高い。

日本語は重要な語、しばしば目的語、を先に言う言語である。*3

ビバ日本語。

 

また少し脱線気味になりました。本題に切り込みます。

今まで話してきたように、目的語に重心をおいて話すのは大変分かりやすい。

そしてそれはアメリカやイギリス人にとっても自然なことなのです。

 

ちゅーことは

 

日本語の語順で思考を組み立て、つまり目的語を頭にくっつけて、それをそのまま言ったとしても、第一近似的には意味が通る(はずな)のです!!!

 

ということで、目的語を志向した英会話法として、「オブジェクティブ(目的語)志向英会話」を提唱します。

この哲学を具体化するメソッドは3つです。

1. 目的語を先に言う。

2. Do you系の疑問文は使うな。

3. I think that 系, It is 形容詞 that 系は使うな。

 

一気に書くのがしんどくなったので、上記は次回にまわさせてください。それでは,ビバ日本語!

*1:井上雄彦、スラムダンク、集英社

*2:それでは、主語が大事なときだってあるではないか、という問いが聞こえてきそうです。その時もきちんと日本語は機能します。例えば、”Who made this room such a mess?”と聞かれれば、”Taro made this room such a mess.”と英語は答えます。日本語ならどうでしょう。”だれがこの部屋をこんなに汚くした?”と聞かれたら”太郎くんがこの部屋をこんなに汚くしました”と答えます。つまり、重要な箇所が主語である場合、日本語は主語を必ずつけ、さらにそれを英語と同様に一番前に持ってくるのです。ちなみに、"Who, What+動詞構文はスムーズに言えるなぁ"、と思ったことありませんか?理由は、この構文は日本語の順と同じため、異常終了と再起動を引き起こさず、スムーズに英語へと変換できるためです。 

*3:目的語という名称自体が重要そうですよね。一般的に目的を最初に言うのは大変分かりやすいです。プレゼンテーションとかそうですよね。